躁うつ病の症状を把握する~心のSOSに気付いてあげよう~

笑顔の女性

感情に病的な波があるとき

医者と看護師

うつ病との違いは何ですか

躁うつ病(双極性障害)にかかると、普段よりもテンションが高く活動的な躁状態と、憂うつで何に対しても気力のないようなうつ状態を繰り返します。そもそも気分の波は誰にでも起こるものですが、その波が普通より極端なのが躁うつ病の症状です。単極性(つまり普通の)うつ病と、躁うつ病のうつ状態の間にどこか違いがあるかというと、主観的には全く違いはありません。ただし、うつ病の患者さんは深い落ち込みしか感じないのに対し、躁うつ病の患者さんは、うつ状態だけでなく、ハイテンション、というほどではなくても、調子の良い期間を、必ず体験します。たとえ1回だけでも、躁状態、あるいは軽躁状態、のエピソードを経験すれば、その患者さんはうつ病ではなく躁うつ病です。うつ病の治療法と躁うつ病の治療法は全く違います。何もやる気が起きないほどの深い落ち込みを引き上げて、気分を少しでも楽に、少しでも活動的にするのがうつ病の治療であるのなら、気分の激しい波を少しでも落ち着かせ、一定の鑑定した範囲に落ち着かせるのが、躁うつ病の治療です。当然、投薬される薬の種類も、うつ病だけの場合と躁うつ病の場合とでは、異なったものになります。躁うつ病の場合は、躁・うつの波を抑える気分安定薬の服用と、定期的なフォローが必要になります。

実は躁状態の方が大変です

躁うつ病の症状は、ワンパターンであるとは限りません。典型的な躁うつのエピソードを繰り返す双極I型障害と、軽躁状態とうつ状態を繰り返す双極II型障害の2種類の症例があります。このうち双極II型障害の場合は、軽躁状態が「調子が良い時期がやって来た」と患者さんが考え、躁うつ病ではなく、周期的なうつ病と考えらることも多いです。また、躁うつ病の症状が躁エピソードから始まった場合は、簡単に躁うつ病の症状であると診断がつきますが、うつ状態から症状が始まった場合には、単極性のうつ病と間違われやすいので、注意が必要です。躁うつ病の患者さん自身にとって苦しいのはうつ状態にあるのは言うまでもないことですが、周囲の人が気を付けないといけないのは、患者さんが躁エピソードにあるときです。躁状態、特に双極I型の患者さんが典型的な躁状態にあるとき、本人は気分が良く次々にとんでもないアイデアが浮かび、それを実行しようとします。また自分が偉大な人間だと感じ、大きな買い物やギャンブルなどでお金を使い過ぎてしまうなどの問題行動を次々起こす可能性があります。そういった行動が原因となり社会的な信用を失いかねない状態に陥ることもしばしばだからです。双極II型の患者さんはここまで極端な状態に陥ることはまれですが、やはり軽躁状態に入ったと自覚したときは、気を付けて慎重に行動することが必要です。